ざっくり
コーヒーの豆知識
これはコーヒー豆に限らないのですが、その土地で育まれ命をつないできた固有種のことです。
人間で言うとネイティブ(原住民)さんです。
その土地で昔から生き延びてきたサバイバルのスペシャリスト種ですが、反面その土地しか知らないのでアウェーに弱かったりします。。。
コーヒーの木はわりとそっちタイプです。
逆にたくましく別の土地に根を下ろし生き延びて進化を遂げた野沢温泉村の野沢菜。
これは元々京都の天王寺蕪が原種です。
なにしろ、気候変動・天変地異に耐え抜きその土地で生き延びてきたものが在来種。
その環境に強くて元気だという証です。
まずコーヒー豆とは、『コーヒーチェリーという甘ずっぱい果実の種』のことです。
この種であるコーヒー豆をどんな状態で乾燥させたか、またはどの段階で果実から取り出したかが精製方法の特徴となります。
大雑把に2通り。
①ナチュラル・・・コーヒーチェリーをまるごと乾燥させてから果実をはぎとって種を乾燥させ、脱穀。
②ウォッシュ・・・先に果実・果皮を除去して発酵槽に漬け込み(※1)、 水で洗い流し、種だけ乾燥させて最後に脱穀。
他にも①と②の中間の方法や、スマトラ式(※2)などやりかたはそれぞれ。
この精製方法が、果実の風味だったりスッキリした味わいなどを演出します。
こうしてコーヒーチェリーの『種』は個性あるコーヒー生豆として流通していきます。
それを最大限に活かそうと、今日も世界中でこだわり焙煎士が奮闘中です。
もっと詳しくは是非ネットで検索してみてください。
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令和4年9月8日補足
(※1)発酵槽に漬け込み
果実・果皮を取った後、表面にぬるぬるした物質が残ります。
このぬるぬるはそのまま洗っても取れにくいため、発酵槽に漬け込んで微生物に分解してもらいます。
こうすることで水洗いの際、ぬるぬるが非常に摂れやすくなります。
(※2)スマトラ式について
ウォッシュと行程はほぼ同じですが、最後が違います。
水洗い後の乾燥で半生状態のうちに脱穀してパーチメント(種の殻)を取ってしまいます。その後もう一度乾燥。
湿気や雨の影響で連続した長期間の乾燥が難しいスマトラ島では2段階乾燥の方が気候にあっているそう。
土地の弱みを特長に変換した素晴らしいアイディアですね。
これについては、さすが世界は広いなぁ考え方もいろいろだなぁと考えさせられる内容です。
コーヒー豆にもランクがあり、評価基準がありますが、まーこれが国や地域によってけっこう違うのです。
『こういう豆が最高だよねー』という世界統一基準がないなんて(笑)。
それぞれの地域によってこれぞ自信作!というものが違うんですよね、世界は広いです。
例えば豆は大きい方がいいよねーという地域に対して、原種と言われるエチオピア産は元々小ぶりなので、豆の大きさ勝負の土俵に上げられると、香り高い最高の豆といわれるエチオピア産は激弱です。
基準の違いはそれぞれの地域性・キャラクターが濃いということ。結局、評価基準とは価格を決めるために必要だったりおおよその質を判断するために参考にしたりと、生豆を売買するために必要なわけです。
ウガンダでは、エルゴン山ブギス地区で栽培された最高品質のものにのみ適用される「Qグレード」がトップランク。
「A」とは、ブギス地区以外の豆でスクリーンサイズが15UP(14~16くらいが中サイズ)という意味です。豆が大きいほどランクは上です。
とはいえ、実は農産物としての評価「こういう豆が最高だよね!」という基準は国ごとに違います。コーヒーベルト地帯(赤道付近)の方々の気質でしょうか、、、なんだか自由です。生き方、考え方、気候・風土などに依存しているといえば自然体な気もします(笑)
というわけで、規格とは『1杯のコーヒーが美味しいかという基準ではなくコーヒー豆に対するそれぞれの国の価値観が反映したもの』。一つの知識、参考資料として豆を選ぶ楽しみに加えていただければと思います。
コーヒー愛好家として、実直に「美味しい」と思える1杯に出会えると良いですね。
基準:標高/豆の大きさ/欠点数
産地の標高はだいたい日本のスキー場のトップ(1800mくらい)~ボトム(600m)くらいです。
高めの方がグレードも高め。
豆の大きさは『スクリーンサイズ』と呼ばれ、スクリーンはふるいのことです。スクリーンサイズはふるいの目の大きさ。そこを通るか通らないかでランクを決めます。
スクリーンサイズ20(8㎜くらい)は大、14~16(5.5~6.5㎜くらい)は中、13(5㎜)以下は小、という感じです。
『15up』と書かれていれば15以上(アップ)だよ、という意味です。
大きい方がランクが上です。
欠点数は未熟な豆や、欠けた豆、虫食いなどの欠点豆がどのくらい混入しているかを点数で表したもの。
国によって微妙に評価基準が違うようなので、しぜんやで取り扱う豆の一例を上げます。
エチオピア イルガチェフェ チェレレクト地区 ウォッシュド精製/標高1800~1900m/在来種/G1
エチオピアのG1とは『300g中の欠点豆が0~3個くらい』。
エチオピアのランクはG8~からあり、日本にはG1~G4くらいまで入ってくるそうです。
豆の大きさの評価基準は・・・ないんじゃないか?という感じです。ネットでざっと調べて見つけられませんでした(笑)
少なくともエチオピアは豆の大きさを問題にしていないようですね。
・・・で、肝心のハイグレードだから美味しいのか、ロウグレードだからまずいのか?
ポイントは評価基準が見た目ということ。
味わった結果の評価ではありません。
ということで、豆のポテンシャルを引き出して可能性を膨らませるのは焙煎士とバリスタの腕にお任せしましょう。
コーヒー豆を乾かす乾燥棚のことです。
お昼寝が気持ち様さそうな素敵なネーミングですね。
もともと、名前通りアフリカ(東アフリカ)の乾燥方法です。
網状の風通しが良い棚で天日に干すことで、乾燥ムラが出ないようにするそうです。
ムラのない乾燥はとても重要ポイントのようで、現在はこの乾燥方法が広く普及しています。
そのため、アフリカでなくてもアフリカンベッドは存在します。
シェードは日陰、グロウンは育つという意味です。
日陰栽培ですね。
日なたで元気に!といきたいところですが、コーヒー豆は意外と直射日光NGです。アフリカンなのに、です。
かといって寒くてもダメ、じめじめもダメ、露も、霜もダメ・・・けっこうわがままお嬢様です。
朝晩の寒暖差はありつつ、日中気温は高めでカラッとしていて、日陰が心地よい場所。
簡単にいうとランチの後ゴロゴロと気持ちよく昼寝できそうな場所です。
コーヒーは環境が整わないとなかなか花が咲かず実がつかないため、日蔭用の木を植え、かつ柔らかい木漏れ日が差し、そよ風がふわっと吹く・・・そんな環境を整えてやるんですね。
地球の胴体(赤道)をぐるっと一周囲んだ『コーヒーベルト』は、そんなわがままお嬢様をのびのび育てる環境に恵まれた一帯です。
コーヒー豆が麻袋に梱包されているもの(もしくはイラスト)を見たことがあると思います。
近年は鮮度保持のために新たな梱包の工夫がされています。
その工夫とはグレインプロ(穀物専用のインナーバッグ)の利用です。
麻袋の内側に「GRAINPRO」と書かれた緑色のビニール袋を仕込み、2重構造にして生豆を梱包後輸送します。
詳細やビジュアルはネットで検索してみてください。なかなかの緑色です。
レインフォレスト・アライアンス認証、カエルのマークでおなじみのロゴですね。最近はコーヒー屋さんでこの認証マークをよく見かけます。
ウェブサイトをザーッと流し読みしたところ、「持続可能な農業を進めていくために最低限の農薬はいいとしてあんまり強力なものはダメですよ、できれば将来どんどん使わなくなるとベストですね。」という、地域と人と環境がより良くなるための応援団という感じがしました。
また、ウェブサイトのトップページ右上にあるロゴにカーソルを合わせると下記のような文が現れます。
【レインフォレスト・アライアンス認証マークは、製品(あるいは指定された成分)が、人自然がともに反映する世界を作ろうとする農業生産者、林業者、そして/あるいは企業で作られたことを表しています。】
もっと詳しく知りたい方はこちらからウェブサイトをご覧ください。